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  長屋門のある2階建て瓜連の家

■『瓜連の家・若夫婦からの要望は屋敷移転・老夫婦+若夫婦と子供3人の7人家族・人寄せが多く少しゆとりある住まいを望むでしたが、先代さんの意図とは異なり葛藤の連続が始まりました。

 

■画像1。

■設計当時、先代さんは大型重機10数台所有しており、それを活用し近隣山林から赤松11本+根鉢巾約6b樫の株立を1株移植しました。

◆左側に米倉+門+車庫+物置で成る長屋門を、第3回目の確認申請書を提出し、母屋に引き続き2期工事で創る。築25年の長屋門と屋敷木を写す。赤松11本を移植したが、全国蔓延の松くい虫被害に遭遇し5本枯れ6本生存中。

 

■画像2。

長屋門脇に立つ赤松4本と生育に愛情を注ぐ証である7年に1度の松くい虫消毒済は、赤松移植の提案者兼設計者として有り難く感謝を込め標識を写しました。

 

■画像3。

高さ約5m前後の樫・高さ不揃いの目隠し生垣たちです。足元の石は 筑波山の表側=原庭石店が民有林から持ち出したつくば石5個。安定したどっしり感を表現する意図で 約2/3は地中に埋設=1/3が地表から顔を出しております。
ゴルフ場建設が衰退、引き取り手の無い高さ約5m樫たちが借地畑で立ち往生中、全部引き取り2階建ての並ぶ南側町道沿い・道路境界から約1.8m後退させ目隠し用の生垣を新設し屋敷木としました。

 

■画像4。

振り返りますと、先代さん=祖父は個性の強い方でした。『生まれ育った自己所有の県西の実家は延床面積が35坪だから、それ以上の床面積はダメ』との葛藤が始まりました。祖母さんを根気よく説得して味方に付け、人寄せしてもゆとりある広さの確保が可能となり、第1回目の確認申請書を提出しました。

◆だが若奥さんの日常生活における日中の逃げ込み居場所が無い=2階寝室に逃げ込めば角が立つ。知恵を出し合い=台所横に来客中でも洗濯物畳み・アイロン掛け等が出来る間口2.7mx奥行き4.5m=7.5帖の家事室設置を認めて頂き、第2回目の申請書を提出。その姿が、画像4の一番手前=増築外観であり、葛藤の名残です。

◆先代さんは担当直入に言を発する方でしたが、一端納得すればわだかまりは一切見せぬ、豪快さを貫く方でした。

 

■画像5。

人寄せの多いゆとりある広さの住まいが出発点=『和室10帖+8帖+玄関畳座5帖+畳廊下10帖の合計33帖は現当主夫妻が席亭の年1回開催のパルパル寄席として今年も3回目を開催し観客数約50数名+裏方10数名がゆとりを持ち入れる空間として受け継がれております。(出演者控室は16帖・旧祖父母室・WC付の広さが舞台の裏にあり。)

 

■画像6。

新築時に今は亡き祖母さんが、うっかりシミを付けてしまい、染み抜きに出したがシミが抜けず着用を断念した結城紬(左側の粋な縦縞模様が入った若竹色着物)と右側は記憶が薄れましたが大島紬?の着物を差し出され戸襖に張りました。

◆数年後に染物屋を営む知人をご案内した際、若竹色の結城紬を見た瞬間 触り、中村さんこの紬1着の価格知った上で使用したの・・・? キリッと睨まれました。
彼女曰く1着少なくとも100万円はする着物よ!
この程度のシミが抜けない染屋はプロではないと染物のプロの眼力にタジタジした事を今も鮮明に覚えております。